■ 坊ちゃまの日常 2■
週末の金曜日。
その習慣が密かに出来るのは
まだ少し先のお話し。
第2話 手袋遊びの始まり
坊ちゃんのいけない手袋遊びの序章。
坊ちゃん 6歳の幼少期のお話し。
坊ちゃんは、今日、そわそわしていた。
もうすぐ21時になる時間だ。
坊ちゃんは、この時間を待っていた。
なぜなら・・・・・・
この時間になれば、家族はみんな自室に戻って
過ごす時間だからだ。
父母は、寝室で過ごす時間だし、
姉様たちも朝が早いので、大抵
寝る時間だからだ。
そして、メイドお姉さん達も、
仕事が終わり自分の部屋に戻って
プライベートタイムになる。
僕は、この時間からある行動を起こす。
ペンライトを持ち
屋敷のクローゼットルームへ忍び込むんだ。
僕んちのクローゼットルームは、半端じゃなく広い。
母様は、そうでもないけど姉様2人が
事ある毎に新しいドレスを作るから
すさまじい勢いで、ドレスやアクセサリーが増える。
なので、クローゼットルームは1つだけじゃない。
僕が忍び込むのは、一番古いクローゼットルーム。
ここは、滅多に誰も来ないのと、色々なアクセサリーが豊富に
保管されている部屋だからだ。
部屋の中央部には、姉様たちのドレスが、
100着以上大きなハンガーに
掛けられている。
四方の壁は、至るところが、収納棚になっていて、
いろんなアクセサリーなどの
小物が収められている。
お目当ては、部屋の奥の方にある収納棚。
収納棚は、一面引き出しになっていて、細かく区切られている。
僕はまだ子供だから、上の方には手が届かない。
背丈よりも低い場所しか開ける事は出来ない。
でも、それでも良かった。
なぜなら
僕がお目当てにしている、シルクサテンの手袋が
収納してある引き出しは
大人の腰のあたりの高さにあるので、
僕でも開けて中を見ることが出来たのだ。
深 夜
誰も来ないことを確認しながら、薄暗い廊下を歩いて行く。
僕んちの屋敷は、広い。
僕の部屋は、4階の真ん中辺にある。
ここから、歩きクローゼットルームまで
50mくらい歩いた廊下の突き当たりにある。
いつも鍵は掛かっていない。
僕は、音を立てないように、
クローゼットルームのドアを開け、中に入った。
ここは、姉さん達の化粧品の匂いが充満していて、
僕はその匂いで胸がムカムカした。
しばらくすれば、鼻が慣れるのでそれまでの辛抱だ。
クローゼットルームに入ってから、ペンライトを付ける。
沢山のドレスの間を、抜けていき
部屋の奥にある収納棚を目指す。
収納棚の前に来た。
この収納棚は、手袋専用の棚。
色々な種類の手袋が納められている。
色や長さなど、色々と整理されている。
僕は、ペンライトで棚の表示を見ながら、
お目当ての引き出しへと
たどり着く。
黒色のシルクサテンの長手袋。
この引き出しには、沢山の黒手袋が入っていた。
同じようなものが、入っていたけど、
購入した時に依り、質感や長さ
生地の感じが少しずつ違っているのが判った。
僕のお気に入りは、その引き出しの下の方にあった。
姉さん達が使うときには、肘下ぐらいの長さだけど、僕が手に填めると
腕まですっぽりと、包み込まれるくらいの長さが有った。
ペンライトの明かりに照らされる漆黒の丈の長い手袋。
ペンライトを床に置いて、その僅かな灯りの中で、手袋をはめた。
まだ、子供なので、指の長さが2㎝ぐらい余った。
僕は、両手にはめた黒手袋を見る。
ペンライトの僅かな灯りで照らされて、
鈍い黒の光沢を放っている
素手を包み込んだ手袋をみて、すごくドキドキした。
手をこすり合わせると、ツルツルしているのが判る。
僕は、ペンライトのスイッチを切り灯りを消す。
回りは、真っ暗で何も見えない。
無数のドレスがジャングルの木々の様になってる中に
身を投じ床に寝転んだ。
クローゼットの通路で横になり、
万一誰か入って来ても
ドレスの下に隠れられるようにした。
僕は、ここでいつも黒いシルクサテンの手袋を
両手にはめて、身体を撫で回して、
その触感を楽しんでいた。
いつの頃か、
ヒーロー物のテレビドラマ
連れ去られた少年隊員が、
人体改造されるシーンを見た。
あのシーンが頭から離れない
悪い女幹部に人体改造される想像をしながら、
悪い女幹部の黒手袋の手で
改造される少年になりきって
手袋の手で身体を撫で回して、
改造される一人遊びをした。
<坊ちゃんの妄想>
最初は、上半身裸になって、
上半身を改造され改造人間にされる
想像で楽しんだ。
<坊ちゃんの妄想>
女幹部に、黒いシルクサテンの手袋で
改造と称して、身体を撫で回される。
想像の中で、必死に抵抗する
少年隊員
シルクサテンの感触にたまらなく
快感を覚えた
途中で、別の触感の手袋に填め換えて、
洗脳改造とかされる遊びに発展し
一度の手袋遊びで、いつしか5双ぐらいの
手袋を使って遊ぶことを覚えていた。
まるで、手術されるときに交換される
医療器具のイメージで黒手袋を使った。
全てが改造用の悪用・黒手袋。
胸を撫で回す時に、
乳首部分を指先で弄ると、
異様なツルすべの快感があって、
そこの部分は拷問されて、秘密を白状させられる
シーンで楽しんだ。
時には、少女隊員の役で、
女幹部たちに、いたずら尋問されるエッチな想像で
遊んだりした。
思えば、この頃から
女の子として、遊ばれるのにも
目覚めていたのかも知れない
あるとき、全身改造される想像をした。
全身、黒い手袋の手で撫で回されて、
手袋から出る悪のエネルギーで
身体を改造される妄想だった。
上半身を悪のエネルギーで、改造された後。
下半身を足から、手袋の手で撫で回した。
太股まで撫で回してきたとき
おもわず、手が止まった。
((さすがに、おちんちんのあたりを触ったらまずいだろう))
((手袋、汚れて臭いとか付いたら、姉さん達に手袋遊びがバレちゃうかも))
それでも、改造人間にされる妄想で、
股間を触られる感じを想像すると
すごく興奮した。
悪の組織の女幹部に、
辱められながら、改造される・・・・・・・
でも、この密やかな遊びが、
姉さん達にバレたら、どんな怒りを買うかと
現実な想像をすると、一気にきもちが冷めた。
結局、太股まで撫で回して、そこで遊びを終えた。
数日経ったある日。
あの夜。
黒い手袋の手で、
全身改造される時に、
股間を触ったらどうだっただろうと、
その妄想ばかりしていた。
シルクサテンの感触。
あの感触を股間で受けたら・・・・・
散々やった、上半身の撫で回しで、
ツルすべの手袋の感触は容易に
想像出来た。
だからこそ、実際にやってみたいという気持ちが、
日に日に高まっていった。
そしてあるとき、ふと思った。
((あれだけ、沢山の手袋が有るんだから、一つぐらい無くなっても))
((誰も気がつかないだろう))
その夜
僕は、いつも通りクローゼット部屋に侵入した。
結構スリルがあった。
自分の家だけど、暗い夜には別の表情がある。
僕は、自分の部屋を出た瞬間から、正義の戦隊ヒーローの仲間
少年戦隊の隊員になりきって、
敵のアジトに侵入して諜報活動をしている
ひとりごっこをやっていた。
クローゼットの中の収納棚を調査と称して開けたところで
悪の女幹部達に見つかって、捕らえられる。
いつもの様に拘束された妄想で、悪の黒手袋を使って
改造されるというシチュエーションで手袋遊びをした。
今日は、改造される前に全裸にされて、
身体検査をされるストーリーを妄想した。
シルクサテンの黒手袋の手で、
身体を撫で回され乳首をいじられる。
いつものように、快感が僕の身体を
満たしていく
遂にそのときが来た。
黒い手袋の手が、股間を・・・・・・襲う。
その瞬間、僕は卒倒するような興奮を覚えた。
今までとは全く違う興奮と快楽。
頭の中で、展開されているシーン。
上半身を撫で回したあと、その黒い手袋の手が、
ゆっくりと下半身へ降りてくる。
左と右、両足の太股まで、下ってきた黒い手が、
股の中心へじわじわと迫って来る。
<坊ちゃまの妄想シーン>
「少年隊員君」
「君はこの責めに、どこまで耐えられるのなぁ~」
女幹部のその言葉の直後、
黒手袋の手が股間を責め始める。
右手が、股間の底部に滑り込み、
睾丸をゆっくりと掴む。
左手の5本の指先が、
硬直したペニスの形をなぞるように、
下からゆっくりと
絡みつき、黒手袋の手に包み込まれ、
ゆっくりと揉み始める。
僕は、その妄想にドップリ浸かった。
自分の手に填めて自分の意思で
動かしているはずの手が、
まるで他人の意思で
動いている錯覚を受けていた。
「あっっっっあっっっはあっ・・・・・・・・・・」
「あ・・・・イヤっ・・・・・・助けて。。。。。。」
僕は、妄想に浸りきっていた。
独り言のように、恥ずかしい喘ぎ声を出してしまう。
「はぁっっっっ・・・・・・・・死ぬ。。。。。」
「あああっ・・・・・たすけ・・・・・・て・・・・」
初めての経験だった。
尿道になにか、勝手に流れ出てくる物を感じた。
透明な液体が、おちんちんから、溢れて流れ落ちた。
((あれっ?これってなに?))
僕は、なんだかそのときは、判らなかった。
それが後に「射精」という性欲を発散するものと判るまで
だいぶ後のことになる。
液体を噴出した瞬間、すごく気持ち良かった。
そして、一気に現実の世界へも引き戻された。
僕は、慌ててペンライトを付けて見た。
床のカーペットが、透明の液体で濡れていた。
そして、激しく股間を弄っていた
左手の手袋にも、はっきりと粘液が染みこんでいた。
((ああっまずいっ・・・・・・どうしよう?))
((メイドさんに頼まないと、クリーニング出来ないし))
((頼んだ瞬間に、「何をして、汚したの」って、絶対詰められる))
((ほんとうに、まずい。どうしよう???))
ペンライトの明かりでも、濡れているのが判る・・・・・
((そのまま、置いてたら乾くだろうけど、))
((きっと乾いた後が固くなって何か臭うだろうなぁ))
結局・・・・証拠隠滅のため、部屋に持って帰る事にした。
無事に部屋まで戻ると、途端に睡魔に襲われ
そのまま寝落ちしてしまった。
朝。メイドのリサさんに起こされて、起床した。
前夜、夜遅くまで、クローゼットで遊んでいたので
寝不足だった。
何事もなかったように、ベットから出て、
身支度をして朝食を取った。
学校へ行くときも、
付き添いのメイドお姉さんが、
同伴して学校まで送り届けてくれるのが
日課だった
「いってらっしゃいませ。ぼっちゃま!」
朝、屋敷を出るときだった。
僕を朝起こしに来た、メイドお姉さんのリサが、
何か言いたそうな顔をしていたが、
あまり気にせず学校へ行った。
昼食の時間になった。
僕は、メイドお姉さんに渡された、
弁当を食べたあと、
図書館でボーッとしていた。
昼食時間の図書館は、結構生徒がいた。
僕と同じように休憩するのに、
ここを利用している生徒が多かったからだ。
いつも、食事や飲み物は、メイドお姉さんが
用意した物以外は、口にしないように
言われていたし、一人で居る時は、
人が多いところに居るように
教育されていた。
その頃は、理由は判らなかったが、言いつけ通りにしていた。
弁当箱を持って、教室にもどろうとしたとき、
出がけにメイドお姉さんのリサが
何か言いたそうな顔をしていたのを、
ふと思い出した。
((あれ・・・何なんだったのだろう?))
((リサが、朝からあんな顔するなんて、珍しいんだけど。。。。))
((リサ? なんであんな顔?してたんだろう))
僕は今更のように、思い出していた
((・・・・・・・・))
ああっ・・・・!
一気に、血の気がひくのを感じた。
((昨日の手袋・・・・ベットの中に残したままじゃ・・・・・・))
坊ちゃんが起きた後、必ずメイドさんが
ベットのシーツを替える仕事をする。
つまり、ベットの中に、
手袋を忘れていたとすれば、
リサがそれに気づくはずである。
((だから見送りの時、いつもと違ったんだ・・・・・見られたんだ・・・・))
((まずいっ。かなり・・・・まずい。))
((取り繕う方法も見つからない・・・どうしよう?))
((定刻になったら、迎えが来る。今日の迎えがリサだったら・・・・))
坊ちゃんの脳裏には、
とてつもない不安がよぎった。
定刻の3時。帰宅する時間だ。
僕は、うちの馬車を見つけて、歩き出した。
出口には、僕んちのメイドお姉さんが待っている。
迎えに来ていたのは、マリアだった。
ちょっと胸をなで下ろした坊ちゃん。
僕は馬車に乗り、マリアも後を付いて乗った。
でも、いつもとちょっと、違っていた。
マリアは、馬車に乗るとすぐに、
御者と会話する窓のカーテンを
閉め、両側の窓のカーテンも閉じた。
いつもは、僕の対面に座って、
今日の出来事とか僕に聞いてくるのに
今日は、なぜか僕の隣に座った。
馬車が動き始めてしばらくすると、
マリアが言った。
「今日の学校は、どうでしたか?」
いつもの会話だ。
「うん。今日は、いつもと変わりなかったよ」
「そうですか。お弁当は、ちゃんと全部食べましたか?」
「うん。とてもおいしかったよ」
ありきたりな・・・会話だった。
そして、マリアは、唐突に話しはじめた
「昨晩・・・・何かされていたのですか?」
((いきなり・・・・聞かれた!))
「べっ・・・別に何も・・・・・・・」
僕は、動揺を隠せるほど、大人ではない。
「今日、朝にリサから相談されたのですが」
「何の相談か、判りますよね。坊ちゃま」
坊ちゃまは、まるで石になったように、固まっている。
マリアは、話を続けた
「坊ちゃま。あなた様は、大事な一族の跡取りです」
「ご自分を大切に、なさらなければなりません」
「それは、皆の幸せや生活がかかっているからです」
「隙を見せるようなことも、慎まなければなりません」
少し強い口調でマリアが話すのを聞いていた。
言葉が出ない。。。。。
((たぶん・・あれだ))
((なんで、用心してなかったのか))
((失態を見られる様なことをするな))
そう言われているのだと理解した。
((マリアは、僕の遊びを知ってるの???))
バレている感じが濃厚だった
マリアは、話を続けた
「昼にリサが、暗部に連れて行かれました」
「どういうことか、判りますか?」
僕は、訳がわからなかった。
「坊ちゃんは、まだお子様だから知らないでしょうけど」
「暗部という組織があって、坊ちゃまや一族の方に」
「害を成す恐れがある人物を、暗部が動いて隠密に、処理するんです」
「彼女らに連れて行かれたら、リサは戻ってこないかも知れません」
僕は、とっさに悟った。
((リサが永遠にいなくなる))
そして、すぐに言った。
「リサは、何も悪い事してないよ。」
「僕が、父さんに言って、返してもらうからっっっ・・・」
僕は、半べそをかいてマリアを見た
(・・・・・・・・・)
「僕が悪い事・・・・・してたんだから。叱られるのは僕だよ」
そう言って、坊ちゃんは俯いた。
マリアは
「坊ちゃんは何事にも、動揺をしてはいけません」
「沈着冷静にしなければなりませんよ」
僕にそう言った。
屋敷に着くと、玄関口にリサが
出迎えに来てくれていた。
((あぁ・・・良かった。。。))
僕は、ホッとした。
馬車を降りると、リサが近くに来て言った。
「あの~っ~・・・・」
「坊ちゃま。申し訳ございませんっ」
「暗部のお姉様方に、お叱りを受けました!」
「坊ちゃまの秘密とは知らず」
「・・・・お姉様方に、お話しをして・・・・・・」
「・・・・しまい・・・・ました。」
「て・ぶ・く・ろ の・・・事・」
「 ごめんなさいっ !」
リサが、恥ずかしそうに俯いている
((ガーンー・・っ・・・・・・・・))
いちばん、怖いパターンだ。
((どうしよっ・・どうしよっ・・どうしよっ))
固まっている僕に、後からマリアが
「動揺せず、ひたすら謝る・・・・です。」
と言った。
僕の昨夜の行為が、全てマリアにも
バレているような気がする。
そして
夕食の前。
姉様たちの部屋に呼ばれた。
部屋には、姉様2人が座って待っていた。
上の姉様は、笑みを浮かべているが、
下の姉様はすごく怪訝な顔をしている。
上の姉様は、詩織(しおり)
下の姉様は、香(かおり) と言う名前だ。
かおり 姉様が、口火を切った。
「ねえ、ゆっちゃん。」
(僕の名は、豊(ゆたか) なので、姉様たちは、いつも僕をゆっちゃんと呼ぶ)
「どうして、私の手ぶくろが、ゆっちゃんのベットの中に、あるのかなぁ~」
(かなりご立腹のようだ)
(まずい)
「メイドのリサから、ゆっちゃんのベットの中から」
「女性の手ぶくろが出て来たって聞いたときには」
「何事かと思ったわ」
「見たら、私の手ぶくろじゃないの!」
[ゆっちゃん!!]
「手ぶくろで、なにしてたのか、いいなさい!!」
「・・・・・・・・・」
沈黙が続く・・・・
詩織 姉様が沈黙を解く
「ゆっちゃん、かおり の事が好きなんでしょ?」
意外な助け船だった。
「・・・・・・ は・ぃ ・・・・・・」
坊ちゃんは、恥ずかしそうに答える
「ゆっちゃんは、かおりちゃんといっしょに居たかったんでしょ?」
「だから、ゆっちゃんは、かおりちゃんの、て・ぶ・く・ろ・・・ 填めて、寝てたのよね」
詩織 姉様は、続けた。
「かおり ちゃん~。かわゆい、ゆっちゃん。許してあげたらぁ~?」
「・・・・・・・・・」
かおり 姉様は、
「手ぶくろ填めただけで、何もしていないの!?」
かおり 姉様の追求は、続く
「なんか、汚れてる感じもするけど、なんでかなぁぁっ」
そういって、かおり姉様は、僕を問い詰めてくる。
そして、僕は恐る恐る答えた。
「・・姉様に・・・・お顔・・・ほっぺを・・・・」
「手袋の手で、なでなでされた・・・・から・・・」
「なでなで・・・気持ち・・・よかった・・・・の・・」
「だから・・・自分で・・・・・姉様の・・・・で・・・・」
ここまで、話すと言葉が詰まった
詩織 姉様が、笑みを浮かべて
「あー っ!」
「ゆっちゃんに、小さい頃、やってたわね~」
「ほっぺを、両手でクニクニしてあげたら、ぐずっていた」
「ゆっちゃん、すぐにおとなしくなってたわねっ~」
「あれ、気持ち良かったんだぁ~」
詩織 姉様は、笑っている
詩織 姉様は、かおり 姉様を見て
「ねぇ~かおり~」
「あたし達にも、原因がありそうね~っ~」
「幼少の頃の体験って、染みこんじゃうんだよね~っ」
「気持ち良かったのは、強烈だったのかも? ね?」
かおり姉様は、怪訝そうな顔で、僕を見ている。
詩織 姉様は続けた
「最高級のシルクサテンで作らせた、オーダー品だったし」
「サイズもあなたの手に合わせて作った物だったし」
「ほっぺ、クニクニされてすごく、きもちよかったから、」
「くせに、なっちゃったのよ」
「さらさら、すべすべして、肌触りいいから」
「かおりの事、大好きな、ゆっちゃんなんだから、許してあげたら?」
かおり姉様は突然、証拠のシルクサテンの黒手袋を両手に
填めると、僕に近づいてきた。
かおり姉様は、両手で僕の頬に、手袋の手を充てると、
昔のように僕のほっぺを、クニクニと撫で回した。
「ほらっ!。こうして欲しいんでしょ!」
「こんなこと・されるのが、そんなに気に入ってたの?」
ほほを撫でながら、僕のほっぺを押さえて
手のひらを、クニクニと回される。
((ああっ・・・・久しぶりだぁ・・・・・))
坊ちゃんは、ほほを赤らめて、かおり 姉様の手を
受け入れている。
シルクサテンの柔らかい、ツルすべした感触が顔中に広がる
久しぶりに、自分の手じゃない手袋の手で触られる感触に
坊ちゃんの表情が緩む。
カオリ姉様は、間近で
僕のゆるんだ顔を見つめながら、
クニクニを止めない。
((ああっ、なに? 今でもかわいいわっ・・この子))
ほほを赤らめている弟が、無性にかわいく感じていた
「そんなに、好きだったの?クニクニされるの」
「そんなに、いいの?」
「クニクニして欲しいときに、あたしに言いなさい!」
「好きなだけ、クニクニしてあげるからっ・・・・」
そう言って、姉様はぼくの頬から、
手を離すと、さっと手袋を外した。
詩織 姉様は、微笑んで
ちょっと、意地悪っぽい感じで、
かおり姉様に言った。
「あらあらっ」
「ふふふっ・・・・・久しぶりにゆっちゃんのカワイイ顔見られて」
「あたしも、うれしいわ」
「ねぇかおり~。あなたが、小さい頃にオーダーして」
「作らせた手袋、まだクローゼットにあるんじゃない?」
「あれなら、いまのゆっちゃんにサイズ、ピッタリかもよ」
「もう、サイズ合わないから使わないでしょ?」
「ゆっちゃんに、あげたらぁ~?」
かおり 姉様は
「ちょっと待ってよ。詩織 ねえさんっ」
「あげるのは、構わないけど」
「ひとりで、そんなことさせたら、寂しい子になっちゃうじゃない!」
「あたしが、ゆっちゃんにクニクニして、寂しくない子にするわよ」
((さみしくない子って・・・・・・何????))
意外な展開になって、
キョトンとしている僕を置いたまま
いつしか、かおり 姉様の追求は、お開きになった。
あとから、知ったことだったけど、
詩織 姉様は暗部の副長から報告を
受けて、本当のことを知っていたらしい。
大人の詩織 姉様は、何も知らなかった
かおり 姉様を、納得させるように
うまく誘導してくれていたようだ。
僕のいけない手袋遊びは、
暗黙のうちにメイドお姉さん達
全員に、知られてしまう事に
なったのである。
そして・・・・・
暗部のお姉さん達
「坊ちゃまの、お遊び」
「あたし達もお手伝い出来そうだわ」
しばらくの後、僕の遊びに暗部のお姉さん達も
参加して来ることになるのだった。
その話は、また今度。
END