第2章 黒い女達


すごく罪悪感を抱きながら、帰宅した。

帰宅と言っても、学校の寮。




もうすぐ、夕飯の時間だ。

学校の寮は、共有スペース以外は、個室になっていて
鍵も掛けられる。

事の他、プライベートは確保されていた。

クラスメイトの大半は、自宅から通っているので寮生活を
している生徒のほうが、数は少ない。

進学校と言うこともあって、食事が終わったら、
大抵の生徒は自室に戻って、明日の予習など勉強するか
共有リビングで、テレビを見たりしていた。

不思議と、ゲーム類を持ち込んで遊ぶ生徒がいないためか
各自の個室に集まって、騒ぐこともしない。

一人でいることが、楽な僕にとっては、
すごくと心地よい環境だった。

食事が終わると、すぐに大浴場へ行き風呂に入り、
自室へ戻る・・・・・

いつものルーチンだけど、今日は遅めに風呂に入った。

自分では、気がつかないけど・・・・・・・

あの香りが、身体のどこかに残っていたら、
それを他の生徒に気づかれたりしたら・・・・・

ちょっとした恐怖感もあったからだ。


何事もなく、自分の部屋に戻った。




僕の部屋は1階の角部屋。

左隣は壁。右は、3年の先輩の部屋。
いつも、遅くまで灯りが付いている。

今年、いよいよ高校受験だから、
猛勉強しているんだろう?
そう思っていた。


この寮は、特に消灯時間とか無かったから、
いつ就寝してもいい。

僕は、自宅から持ってきた
DVDプレーヤーに備わったチューナーで
テレビドラマを見るのが日課だった。



もちろん、テレビドラマはサスペンス物。



寮生活している時は、テレビドラマの録画が出来ないので、
ドキドキシーンのあるドラマは、題名や作者などをメモして
YouTubeなんかで、誰かが放流してくれないかと、
いつも検索している。

僕と同じ嗜好の人が、世の中には居て、
僕の好きな黒手袋の手で
犯罪を犯す女性のシーンだけを集めて、
ネットに公開もされていた。


著作権などの関係だろうか?


映像がアップされては、消されてしまうので、
動画のダウンロードに
一生懸命になった。


寮に帰ってから、就寝時間まで、
特殊趣味の動画ばかり探していた。


寮のWi-Fiは、さすがに管理されていて、
世の中で言うところの有害サイトへは
繋がらない様になっていた。
YouTubeは、色々な勉強の資料にも
使っている生徒が多いので、
幸にここへのブロックだけは、掛かっていなかった。


いつもの様に、YouTubeで新しい画像がないか、
検索をはじめた。が・・・・・

いつものような、ドキドキ感がない。




公園のトイレで、あれだけ恥ずかしい事した・・・・・・・・から・・・・



トイレで感じた興奮が、だんだんとよみがえってきた。




首締めからの絞殺シーン。

背後から、口を封じられ、窒息させられるシーン

そして・・・・・

黒革手袋の手で、身体を撫で回され、
性的悪戯をされてしまう。



革手袋の新鮮な感触が、身体に染みついていた。



(自分の部屋なら、誰も来ない)



(カチャッ)



ドアの鍵をゆっくりと閉めた。
これで安心・・・・・


僕は、バックからあの黒革手袋を取り出した。



公園のトイレで感じたほどの香りはしなかった。


ルームランプの灯りで、鈍く黒光する黒革手袋。

見ているだけなのに、次第に心臓の鼓動が高まる。


僕は、ベットの脇にある
ルームランプのスイッチを切った。


一瞬にして僕の部屋は漆黒の闇に包まれた。


カーテンは遮光カーテン。
外からの光も入ってこない。


そして、外から覗かれたりする心配も無い。


(僕だけの空間。なにも邪魔する物はない。)


漆黒の闇の中、少しずつ目が慣れてくる。


Tシャツとブリーフだけの僕。

ベットに横になる。

そして闇の中でも、うっすらとそれと判る黒い手袋。






僕は、ゆっくりと右手から、
黒い革手袋へ自分の手をすべり込ませていった。

手をゆっくりと包んでいく手袋。

黒い闇の中に腕が溶け込んでいくような感覚。

そして、黒革の手袋が両手を包む。

闇の中に溶け込んだ自分の手を見る。


(寝込みを襲われる・・・・・)










少年は、横たわったベットの上で、
Tシャツをまくり上げTシャツを脱ぎ捨てた。

そして、腹部からじわじわと、
指先で身体の形態をなぞるように、
身体を触りはじめる。

少年の呼吸が荒く、そして早くなってくる。

闇の中でうごめく黒い手。


黒い両手は、上半身の身体の形を確かめるように、ソフトタッチで撫で回している。










少年の脳裏には、暗闇の中から突然現れた、
黒革手袋の手にはずかしめを受ける
妄想で満たされていく。

黒革手袋の5本の指が、両胸の突起を妖しい動きで、
ゆっくりと弄る。


(アッ・・イヤッ・・・)

女の子の様な声が漏れる


すかさず、黒革手袋の右手が口を封じる。
そして、呼吸を奪いながら・・・・・・・

(うううっっっんんんんんんん・・・・・うーっんんんんん)

少年は、必死に口を封じている黒い手を振り払おうと首を振る。
だが振り払えない。

時折、黒い指の隙間から鼻腔に空気が流れ込む。
あの、革の香りと言い知れぬ香水の香りと共に・・・・・・

少年の左手が、身体を撫で回しながら、容赦なくブリーフを引きづり下ろした。

股間は硬直し、透明の液体がほとばしっていた。


自然に少年は、両足を広げ股を開ける。

妄想の中では、別の手袋の手に両足を掴まれ、両足を開かされていた。


黒革手袋に包まれた左手が、トイレの時と同じように、じわじわと
太股を撫で回しながら、股間の中心部へ沈んでいった。


黒い指が、少年の玉袋に触れる。

少年の身体が、硬直する。手袋に包まれた手だけは、まるで別人格のように
指先からゆっくりと、玉袋を包んでいく。

((おとなしくしなっ・・・ここを握りつぶされたくなかったらね))


少年の脳裏で、悪女が耳元でささやいている。


少年は、されるがまま・・・・・になっていた。


硬直した股間の先端から、おびただしい透明の粘液がこぼれ落ちる。


硬直した逸物の形をなぞるように、5本の指が妖しくうごめく。


(うっ・・・・んん・・・・んんん)
イャ やっ やめて

鼻腔から、あまい香水の香りが混じった、革の香りが強烈に入ってくる。

公園の時とは違って、ここは安全な自分の部屋。
自分が、すごく大胆になっているのが判る。

右手で、口を押さえ左手で、股間の一物を握りまくった。








(あっ・・・) 昇天しそうになり、左手の動きをとめる。
テーブルの上にあらかじめ切っておいた、布粘着テープを口に貼る。

声は出せない・・・・・・



それだけなのに、口を塞がれレイプされている感じが、
少年をさらに興奮させた。


黒革手袋を填めている手は、
自分の手じゃないように、ソフトタッチから
激しく体を撫で回し、乱暴な手と化していく。
そして、両手で股間を・・・・・・・・


















左手で、肉棒を激しく握り揉み込んでいく。


右手は、玉袋を手のひらいっぱいに
握りしめている。


しばらくして、少年は仰け反り、おびただしい量の乳液体を噴き出した。
左手に填めていた黒革手袋は、乳液で汚れた。



乳液体で汚れた左手と、右手を自分の首に掛ける。










少年の妄想は、犯され射精させられたあと、
暗殺されるのだった。

口に貼られた粘着テープは剥がされず、
黒革手袋の手で首を絞められて

その妄想と実物の黒革手袋の手と・・・・・完全に陶酔していた。



しばらくすると、首を絞めていた両手が突然離れた。



少年は、自らの首締めで失神してしまっていたのだった。












暗闇の中。




少年は、気がつかなかった。

換気口を通じて、ナイトビジョン付の
マイクロスコープが部屋の中に
侵入していたことを。





部屋の外から、あの女達がマイクロスコープで、
少年の恥ずかしい
オナニーを見物していたのだ。



「ふふふっ。なんて欲望に満ちたオナニーかしら。」


「絶対、誰かに犯されてた感じよね」



「最後は、自分で首締めて、失神しちゃうなんてね。」
「まぁ犯されたあと口封じに暗殺されるお決まりの・・・・」
「あれ、きっと途中から・・・・」


「そうね。女の子になった気分よね。乳首いじりや」
「体の撫で回しとか。男のオナニーじゃ、やらないことしてたし。」


「おちんこ、握りながら揉み揉みしたりして、なかなか面白い仕草だったわ」
「しかも、金玉握ってるときは、絶対オマンコ弄られる妄想してたよね。」
「すごく妖しい触り方してたし」




「まぁ。手袋フェチで、手袋の手で悪い事をされるのが、猛烈に好きな子。」
「こっちも、久々に興奮してきちゃった。」


「フフフッ・・・・誘拐する時、大好きな黒革手袋つかえば、」
「案外おとなしく連れ去られてくれるかも。」



「お口塞いだだけで、陶酔しちゃうかもね。」

「いつやるの?」

「明日の夕刻。やっぱり、あの公園がいいわ」
「餌も仕掛けてね」



「フフッ。餌に食いついたところを、釣るのね。」

「そうよ。屋敷の地下室に連れ込んでしまえば、あとはやりたい放題。」

「楽しみね。」

「今日は撤収しましょう。」

「あの子?使った手袋、明日持って出るかなぁ~」

「大丈夫よ。絶対、明日公園のトイレでやるわ。」

「学校のトイレとかでも、やりそうね」

「やるかもね。あの興奮のしかたなら・・・・・」

「部屋に置いて出られると、唯一の物証になりかねないからね」
「大丈夫だと思うけど。」






どれくらい時間が経ったのだろう。







少年は目を覚ました。




(体が重い・・・・・少し動かすだけでもやっとだなぁ。)

目覚めた直後、身体の具合がわるい少年。





そう。


首締め行為をして失神したときに、
極度の低酸素症に陥っていたのだ。

目覚まし時計を見る。

5時55分。


今までに経験したことない、
体のけだるさと軽い頭痛があった。

(ああっヤバイ。何なんだろう)

(あっ・・・手袋したまま寝ちゃってた。)

手袋の左手の指と手の甲に白い変色がある。
ゆっくりと、手袋を外してバックの中に入れた。


(そうか。昨日、最高に気持ち良くなったあと、反射的に首締めて・・・・)



昨晩の自虐行為をだんだんと、
思い出してきた。


自分が失神するまで、興奮して
首締めしてしまったことも。



(あーっ。あれが原因かな・・・・・・)



おもむろに、僕は納得した。


だめだ。まともに歩けない。
今日は、体調不良で学校休もう。


僕は、スマホのアプリで、
本日学校を欠席する連絡をして、再びベットに
横になった。



どれくらい・・・・時間が経っただろう。
ドアをノックする音がする。


「ねぇ?起きてる? 」
「起きてるなら、ドアの鍵、空けてくれるかなぁ~」

寮母のお姉さんの声だった。


僕は、這うようにして、ドアの鍵を開けた。
ドアの横で倒れ込むようにしている
僕を見た寮母のお姉さんが
ビックリした顔で、僕を見ている。


「あららっ。学校から電話があって、見に来たの」
「どんな具合なのかしら?」
「朝食も食べに来ないから、心配してたのよ」
「どんな具合なの?」


僕は、まだ少し朦朧としている。


「昨晩から、体がだるくて、しんどいんです」と、
素直に状況だけ伝えた。



寮母のお姉さんは、僕を支えてベットへ寝かせると、

「ちょっと体温計持ってくるから、そのまま寝てて・・」
そう言って、リビングの方に行ってしまった。

しばらくして、寮母のお姉さんが体温計を持って戻ってきた。



「さぁ、熱計りましょう」


そう言って、体温計を渡してくれた。



ピピッ・・ピピッ・・ 体温計が音を出す。
僕は、体温計を取り出して、
寮母のお姉さんに渡した。

「あら?熱は、無いようねぇ~」

そう言って、少し考え込んで・・・・

「うーん?遅くまで勉強してたのかな?寝不足かなぁ?」
「どっちにしても、これじゃ学校に行けないから、寝てなさい。」
「交代のおばちゃん来るまで、私が居るから。何かあったら呼んでね」


と、寮母のお姉さんが、部屋を出て行こうとしたとき、突然

「なんか、変な臭いするわね~」
「この部屋。体にも良くないから、」
「換気しましょう。」

そう言って、部屋の窓を開けて、僕の部屋を後にした。




僕の額に冷や汗が流れた



(ヤバイっ。あの革手袋、付けっぱなしで寝てたから、あの臭いが・・・・)


気がついた僕は、かなり青くなった。
寮母のお姉さんが、香水とか革の香りとかに、
気がついたら、絶対怪しまれる

しばらく、止まらない冷や汗で、
来ていたシャツは、びっしょりと濡れた。

シャツを着替えて、再びベットに戻った。
横になると、すぐに眠りに落ちた。


どれくらい時間が経ったのだろう。
僕は、目覚めると時計を見た。



(あっもう、夕方5時か.........)



前夜の激しいオナニーで、
思った以上に体力を使ってしまっていた。

コンコンコン ドアを叩く音がした。

「はいっ どうぞ」

そういうと、寮母のお姉さんが入って来た。

「これから、夕飯の支度をするんだけど、食べられそうかなぁ~」
と、お姉さんが僕に言った。

「だいぶ、良くなったので、だいじょうぶだと思います。」
そう、答えた。




「・・・・あれ?」
お姉さんは、何か思いつぶやいた。





「今朝、変な臭いがしてたけど、換気したのに、まだ匂うわね~?」
「何のニオイかしら・・・・・・」

(えっ・・・・まだ臭っている?)


僕は内心、かなり焦っていた。
反射的に、あの黒革手袋をどこに置いたか
目で探した。


(そうか。まだ、あのバックに入れたまま・・・)
(入れたままだから、そこからニオイが漏れてる???)



寮母のお姉さんは、つぶやきながら
僕の部屋を出て行った。


慌てて僕は、窓を開けて再び換気した。

(ずっと部屋に居るから、僕の嗅覚が慣れて判らなくなっているんだ)



部屋の扉を閉めた後、
すぐにバックの中のニオイを確かめた。
その瞬間、なんとも言えないニオイが。


あの革手袋の革の芳香。甘い香水の香り。

そして・・・

異常に汚れが判る、革手袋の左手。



(あっ・・・・射精してしまったあと、そのまま・・・)



革手袋の左手だけが、なんとも言えない
独特のニオイを放っていた。



(まずい・・・・・)



僕は、手袋を左手だけ填めて、
いつも使っているアルコールティッシュで、
指先から手のひら、指の間を
何度も丁寧に拭き取った。


精液が乾いて、少し変質したように見えた革も
何とか、元に戻った感じになった


(よかった・・・・・)
(これで、ニオイは消えたかな?)


でも、嗅覚が慣れてるから、少し経ってから確認しよう。
左手に填めた手袋を外そうとした時。
肘下まで包み込んでいる黒革手袋に、心が高鳴る。

(今は、まだだめだろう・・・・・・)

思いとは裏腹に、心臓の鼓動が高まる。
まだ填めていない右手側の手袋を取ると、
右手にもゆっくりと手袋を填めてしまった。

黒革手袋に包まれた両手を見つめた。


自分の手じゃない・・・・感覚が・・・・・脳裏によぎる。


僕は、無意識にベットの中に潜り込んだ。

黒革手袋に包まれた右手が、
自然に口を押さえる。

布団のなかで、うごめく左手。
シャツを容赦なく<
まくり上げ、
身体を撫で回していた。



トットットットッ・・・・・




誰かの足音が近づいてくる。


その音で、ハッと正気に戻る。
僕は、慌てて手袋を両手から外し、
布団の中に隠した。



コンコンコン ドアを叩く音がした。



「はっ・・はいっ どうぞ」
(かなり焦った・・・・)



そう答えると、寮母のお姉さんが入って来た。

「そろそろ、ごはんの時間よ。食堂に来てっ」

僕に微笑みかけながら、
そういうと直ぐに、部屋から出て行った。

(やっぱり、夜だけにしないといけないな)

僕は、布団の中の手袋を取り出し、チャック付のビニル袋に
入れて、机の引き出しの奥に仕舞った。

そのあと直ぐに、食堂へ行って食事をしたのだった。





平凡な日常の時間に戻っていったが、
まさかこれが、最後の日常になるとは
夢にも思っていなかった。






午後8時。

寮母のお姉さんも帰宅し、
学生だけの時間になった。



僕の頭の中は、
あの黒革手袋の事だけしかなかった。
食堂から戻って、自分の部屋を確認して、
あの独特のニオイが
なくなっていたので、
ひとまずホッとした。


今日は、金曜日。

明日は、学校も休みだ。
昨日みたいに遊んでもだいじょうぶかな?


そう思いながら、僕はベットに軽く横になった。

今夜は、どんな感じに黒革手袋の手でされるか、考えた。
自分の股間が、熱くなるくらい、
ギンギンに勃起している。




(早く、触られたい・・・・)




悶々とする気持ちを抑えながら、
色々なシーンを思い浮かべていた。


就寝時間まで、あと30分。


おもむろに、アイスクリームが食べたくなった。

(ちょっと、コンビニまでアイス買いに行こう)

そう思った僕は、白のジャージを着て、
外出する事にした。
コンビニまで、歩いて10分くらい。



外出帳に、コンビニ行くと書いて、寮を出た。


今日は、思っていたより外は寒い。
(ジャンバー着てくれば良かったかな??)

そう思いながら、コンビニ方向へ歩き出した。
通学路だから、歩き慣れている道だった。

コンビニでアイスクリームの他、買い物をして
寮へ戻る道を歩いていた。





目の前に、さっきは止まっていなかった、
大型の黒いワンボックスの
車が止まっていた。

エンジンは掛かっているようで、
誰か乗っているのは判った。






僕は、何事もなかったように、その車の横を通りすぎた。


突然の事だった・・・・・


後で、ドアの開く音がした瞬間。


背後から、僕は口を手で塞がれ、
羽交い締めにされた。

さらに、別の人物が僕の両足を
何か細いもので、ギュッと縛ると
そのまま持ち上げられ、
黒リワンボックスカーの中に
連れ込まれた。



口を押さえている手には、
黒革の手袋が填められている。

手の大きさからすると、女性らしい・・・

ほんの数秒の出来事だった。



あっという間に、車が走り始めた。


黒いカーテンのような物で、窓が見えず
どこを走っているか判らない。

僕の口を押さえている革手袋の手が、
いつの間にか両手で押さえられている。





(苦しい・・・・・)




暗い社内に少し目が慣れてきた。
後部座席に、僕を含めて3人。

一人は、背後から僕の口を両手で塞ぎつつ、
体を起こせないようにしている

もう一人は、僕の足の上にまたがって、
僕が抵抗出来ないように押さえ込んでいる。



「うんんんんん・・・・・・んんんんんんん」
(なにするんだ 離してくれ)



口を封じられて、声にならない。



僕の口を塞いでいる女性が頭上から僕を見ている。
目だけが出ていて、口と鼻を覆う
黒い革っぽいマスクをつけている。





そのマスク越しに・・・・
「ねぇ~ 今日は、学校休んだんだね?」




突然、落ち着き払った若い女性の声がした。


「もっと早い時間に、捕まえるつもりだったのに。」
「ちょっと予定が狂ったわ」

「昨日の夜は、相当お楽しみの様だったわね。しっかり見てたわよ。」


車内に取り付けてある、後部座席用のモニターに
映し出された映像を見て
僕は、身体が凍り付いた。



昨夜、自室で両手に黒革手袋を填めて、
口を塞ぎ露わになっている
股間を弄っている姿が映し出されていた。








「音声が無いのが残念ね。あたしの手袋で、悪いことしてっ。」
「ずいぶんと、お楽しみだったじゃない」
「どぉ~ 実際に誘拐された気分は・・・・・」


もう一人の女性が、右手で僕の股間に手を充てると、
着ているジャージの上から
僕の逸物を握った。



始めて、他人に触られた・・・・・・・



「あらっ? まだ勃起してないわね。怖くて、縮んじゃったのかな?」
「君の大好きな、革手袋でお口塞がれてるから、もう興奮してると思ってたのに」


僕の頭の中は、真っ白になっていた。


自分の恥ずかしいオナニーを見られていた上に、
録画までされている。



(どう・・・・なる・・・の・・・・)




もう一人の女性も、口と鼻を覆う
黒いマスクを装着している。

そして、その目が僕を見て、
不敵な笑みを浮かべているように見えた。


両手に填めた、黒革の手袋の手を僕に見せつけ、
妖しい指の動かし方をしながら


「ほーらっ。君の好きな、黒革の手袋だぞ~っ。」
「一人で、手袋填めて遊んだりして。」
「気持ちよかったぁ~? 」



「ずいぶん、エキサイトしてっ。女に悪い事される妄想でもしてたんでしょ?」
「ダメよっ~ 一人で遊んじゃ。」
「屋敷に付いたら、お姉さん達が遊んであげるから。楽しみにしてなさい。」




(あっ・・・・また、揉まれてる・・・・・)
(ダメ・・・・・っ)



僕の股間に充血の兆しが。止められない。


「あらっ フフッっ 固くなって来ちゃったね~」
「服の上からじゃなくて、直接オチンコを、手袋の手で弄って欲しいでしょ~」



僕の呼吸が荒くなる

革手袋の手で、口を押さえられて、
鼻からしか呼吸が出来ない・・・・・



「んんん・・・・ンン・・・・・・・」
(ああっ・・・・あっ・・・・・・)



固くなった股間を、服の上から指先だけで、
その形をなぞるように、まったりと
弄られつづけている。



「そろそろ、濡れてくる頃かしら?」


突然、僕の口を押さえていた手の指が動く。
親指と人刺し指で、鼻の穴を封じられる。




(呼吸出来ない・・・・・・苦しい)





僕は苦しさに、頭を振りながら、必死に抵抗する。
抵抗しても、左手で頭を抱えられ、
口を封じる黒い手は、容赦なく呼吸を
奪いに来る。


(本当に、殺される・・・・・)


身体が酸欠で、だんだん抵抗出来なくなってきた。



(このまま、死ぬ・・・???)



口を封じていた黒革手袋の手が、離れた。
新鮮な空気が肺を満たしていく。

二呼吸して、三呼吸め。


(なんだろう)


もう一呼吸吸い始める瞬間

口鼻に、厚手のハンカチの様な
物が押し当てられる。



口から喉へ、揮発性の何かが
流れ込んで来るのが判った。



「初めてだよね。クロロホルム。」
「たっぷり吸って、寝てなさい。」
「窒息寸前で、クロロを吸わされると効果あるのよ」


「起きたときには、もう君は現代の異世界に居るのだから」



だんだんと、喉に感じていた薬品感が薄れてきた。


(ああっ、頭がぼんやりしてきた)


(ずいぶん、効き目が出るのに時間掛かるんだぁ~)
(ドラマで、すぐに意識なくなるシーンはうそだなぁ~)
(僕は、どうなるんだろう)

薄れ逝く意識の中で、黒マスクの女性の顔だけが最後まで
見えていた・・・・・・。





< 続く >




第3章 予告

連れさられた少年は、ある建物の地下室だった。
ここで少年は、二人組の女達の性奴隷にされるのであった。
従順な下部にするための、ありとあらゆる快楽を身体に
擦り込まれていくが・・・・・

少年の運命は・・・・・・・・